ゼーガペイン 第24話「光の一滴」




シマ司令、総員の舞浜サーバーへの退避を命令。彼の表情つーか動きがリアル……なのかはよくわからないが、ゾクゾクした。主要キャラの誰かが死ぬシーンなんてもう何度も見てるのに。ミナト副司令もボロ泣きしますよ、ベタ惚れで、今までずっとツレなかった相手から最後の最後であんな言葉をかけられちゃさ。あぁ、別れの敬礼とか王道だね。セレブラント達とAI達で敬礼の形(陸式・海式)が異なってたなんて野暮なツッコミはしない方向で。ここだけで今回のヤマを越えた気がした。このまま次回予告でも良かったぐらい。託された未来、掴み取れ、ゼーガペイン
量子力学ネタを扱うアニメらしく猫(ネタは勿論、シュレディンガーの猫だろうな。いつかのシズノ先輩がかまっていた猫もこれの伏線?)に導かれ、シマ本体と対面するキョウ達。ついさっきまで近未来的な月面基地での戦闘だったのに、雪の山寺。作戦はフェイズ3に移行……シマ本体と接触。かつてナーガの片腕的存在で、幻体第一号。そのうちナーガとは違う意見を持つように、ですか。それはいいけど、肝心のところで「色即是空、空即是色」ってもなぁ。これに対し「般若心経だぁ?」とすぐさま反応するキョウちゃんは流石、熱血博学主人公。そういえば今回出てきたノンオイルツナ缶も序盤にコンビニで買ってたな……フォセッタのお天気ネタもそうだけど、細かいところの設定を忘れずに使うのは地味ながら効果的。で、飽きずに「生者必滅・会者定離」と続けるシマ本体はもう乙女座のシャカの領域。もう肉体失ってんだから阿頼耶識も何もないって。言ってないけど。キョウちゃんがこんな奴に付き合ってられねぇってのも道理。
シンが「動いてる箱」という言葉を使ってたけど、箱ってのはやはりシュレディンガーの猫の思考実験の「箱」が元ネタでいいんだろうか?箱=量子サーバーってのは容易に結びつくので、物語最後のネタ「人類復活」は、箱の中の猫=サーバー内の幻体として、生と死の量子力学的「重ね合わせ」に持っていくのか……などと妄想している間にアンチゼーガ・マインディエが襲来。さてピンチだどうなるどうする?「俺が行く」いいねぇルーシェン。決意の表情で戦友キョウに向き合……抱きついて「君はいつだって嘘をつかない、いつだって……そんな君が好きでたまらない」→間髪入れずにキョウちゃんにキスしてグッバイ。

ガチだったんですか、兄さん……

ゼーガペインガルダに舞い戻り、「カップリング」などという単語を自ら口にするルーシェン。もう分かったから最終決戦に801を持ち込むなとばかりのマインディエの猛攻。絶望的な防戦にドライダメージ・ウェットダメージ共に限界を迎えながらもなかなか倒れない不屈の根性・ルーシェン!笑みを浮かべてこの痛みが嬉しいとかドM宣言までしやがる。目の前で告白をされ、もはやフラグもクソもないのにそれでもルーシェンに付き合うメイウーもドMってこと?「ゼーガペイン」の漢字の当て字は「是我痛」らしいが、なるほど確かにM全開な言葉にも見えなくはない。んなアホな。それにしても序盤から性別がイマイチはっきりしないと話題になっていたとはいえ、ルーシェンがこんなにおいしいキャラになるとは思わなかった。
シマ本体の見せたかったものは雪の中で咲く花――雪中花というわけであの花は水仙でいいんだろうか。でも「赤い」水仙って無かったような?草花ネタは詳しくないのでこのへんでやめる。「今を生きる」が答え?らしいがキョウちゃんならずとも「めんどくせぇよ!ヴァカ!」ぐらい言いたくなるわ。残りの話数で活かされればいいんだけど。
ラストはオケアノス。積層型QLが完成するまでの奮戦。人間じゃないから痛みは感じないとはいえ、オケアノスAI達の犠牲に心が痛む。最後の務めを終えたオケアノスは轟沈。エンディングをはさんで、また本編が挿入される演出。積層型QLフルチャージ、キョウちゃんの「あふれそうだぜッ!」の声と飛翔するゼーガペイン・アルティールで引き。戦況は敗色濃厚。されど最後の希望を持って決戦に赴く主人公機。文句はないっつーか最高なんだけど、せっかくだし前フリなしでもいいから、機体パワーアップしても良かったんじゃないか?