最終話。もうクリスマス見られないのか、残念……賛同者は挙手。
全体的な感想を辛口に言うと、パワー不足は否めなかった。リナクス自体の脅威の描写もやや押しが足りなかったと思う。ワールドワイド規模の脅威を実感できない、というか。才藤長官も憎みきれなかったし。
でもそれで良かったと思う。ドラマ構築の背景情報を求めすぎるのは少々穿った観点でしかなく、ボンズらしく適度に安定した作画は十分に「広く」「美しい」世界を見せていた。OPに新居楽曲を持ってきて、それに惹かれたという意見も多いことからもそれが成功していたことが伺える。
なんといっても「対」というキャラクター相関関係が今作の肝。序盤の、クリスマスの前では緩みっぱなしのクラウが微笑ましいというか危ない2人の愛の巣描写は、「対」の例外的な部分で、中盤からの逃避行と少なくない悲劇。具体例を挙げるまでもなく、絶対的な視点ではリナクスの「対」は即ち悲劇の主体だった。その丁寧な人間描写にグッときた。「対(pair)」と「痛み(pain)」のスペルが似ていることに気付いて、殊更に切なくなったことも。
派手なパフォーマンスよりも繊細な人間の機微が魅力だった。お手軽なアニメに慣れてしまった人には向かないと思うけど、個人的には良作であったと思う。

追記  …第3話のクリスマスの自作ソングは核爆級。