大学

ゼミ。雨だったせいか人数少なかった。テーマは「自殺関与罪及び同意殺人罪」。刑法ゼミはテーマが重くてアレだね。自殺は自損行為の極みだから違法じゃないだとか、共犯の従属性の問題とかを経て、大阪高判平10.7.16/平10重判〔4〕へ。

阪高判平10.7.16/平10重判〔4〕
…被告人は風俗営業店より派遣されて被害者方へ赴き、殴打プレイをして気に入られ、同人の、800万円あまりの報酬と引換に下腹部をナイフで刺してもらいたい旨の依頼に応じて、被害者の下腹部をサバイバルナイフで刺したという事案

究極のSMプレイの依頼、と。…判例は真意に基づいて殺害を嘱託したものと理解する余地が十分にあり、被告人は被害者が本当に殺されたいと思って頼んでいるのではないことは分かっていたが、その依頼に応ずるかのように装って殺害した旨の供述をしており仮に被告人が捜査段階で本件犯行に及んだものであるとしても被害者の真意に基づく嘱託が存在する以上、嘱託殺人を成立する…という判旨。まぁ同意殺人も人の生命を人工的に断絶するという点で殺人と実行行為を共通にし、両罪は構成要件的には重なり合うから抽象的事実の錯誤が生じ、法定的符合説によって軽い嘱託殺人説の罪責を問うべき…ということ?で。殺人の嘱託が被害者に存在するのに行為者がこれを認識していなかった場合においても嘱託殺人は成立する、という重要な判例らしい。


↑真顔でこういう議論ができる法学部ゼミ。つーか店側で指導ぐらいしておきなさいって。もっと複雑な事例もありそうだけど日本人の場合、隠しちゃったりして裁判に持ち込んだりしないんだろうな。あ、話の中で出てきたのだけど亀甲縛りの結果相手が死んじゃった場合は殺人罪を構成するらしい。「法的に空虚な領域」であるはずの自殺関連の話だけど、思わぬ議論ができるもんだ。

その後はサークルの先輩達と「新機動戦記ガンダムW」を中心に平成ガンダム話。結論は「トールギスは良い」。