機動戦士ガンダム 第33話「コンスコン強襲」

ちばテレビ再放送。伝説の12機リックドムの話。テム・レイ登場とかカムランさんとか、スレッガーさんの鉄拳とか見どころ満載。ファースト後半は名台詞・名シーンのオンパレードだけどこの回は特にコンスコンも、あのドズルの腹心ということは普通に有能なんだよね。出撃する時も艦橋で直立不動の姿勢で敬礼。任務に忠実で老練な猛将。そしてホワイトベースに対し最新鋭MS、リック・ドム12機を投入という猛攻を仕掛ける。

しかし、彼は負けた。
「ぜ、全滅?12機のリック・ドムが全滅!?3分もたたずにか!!」という台詞はあまりにも有名。
傷ついたホワイトベースに対し十分過ぎる戦力を投入した。敗北などという結果はホワイトベースにこそ送られる運命だったはずで、彼が負けるなど「ありえない」はずだった。しかし、鬼神の如き強さを見せる白いMS・「ガンダム」とアムロ・レイというパイロットはその「ありえない」ことが出来てしまう存在だった。そして彼をせせら笑うかのようにシャアが姿を現す…

シャアの無能を証明するどころか自分が敗者になってしまったコンスコン。眉ひとつ動かさず、コックピットを正確に狙い、次々とリック・ドムを屠り続けるアムロ。もともと民間人で、なりゆきでガンダムに乗る事になった彼がここまで強くなってしまった。もちろん、単純なヒーロー視点で見れば「ガンダムつよ〜い!」で終わるけど、人の命を奪う事が恒常化したアムロにどことなく畏怖を感じることもできる。それまでの戦場におけるキルレシオの通念すらを覆すことのできる<ニュータイプ>という言葉が戦術・戦略のレベルを超え、人類の進化などという大きなフィールドで論じる際に必要となる「事例」でもあるこの第33話。堪能しました。